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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
小菅 信章
(桐蔭横浜大学大学院)
会議名 15th Asia Pacific Conference for Non-Destructive Testing (APCNDT 2017)
期日 2017年11月13日〜17日
開催地 Singapore, Marina Bay Sands Expo and Convention Centre
1.国際会議の概要

15th Asia Pacific Conference for Non-Destructive Testing (APCNDT) は、アジア太平洋非破壊検査連合および関連団体とのアジア地域における国際会議である。この会議には、非破壊検査の研究開発における最新の進展と産業分野での非破壊検査の応用を技術的, 科学的に報告がされている。また、会議と併せて開催される展覧会では産業分野で使用されている最新の非破壊検査機器の展示が行われており、会議参加者と訪問者のアイデアと経験談を交換する貴重な機会となっている。

APCNDTは1976年に始まり、最初の会議は日本で行われている。以降4年に一度開催され、次回開催はオーストラリア, メルボルンで行われる。

≪APCNDT 会場≫ ≪展覧会の一部風景≫
2.研究テーマと討論内容

講演としては、“Study about the S/N ratio of the multi-tone burst wave for high-speed non-contact acoustic inspection method” という題目で20分の口頭発表を行った。

コンクリート構造物内部に発生する亀裂や欠陥を検査する手法として、様々な検査法が開発されてきたがこれら多くの検査法は対象物に対して近距離で使用しなければいけないため高所での作業や大型の構造物の検査が困難といった問題点が挙げられている。一方、著者らは音波照射加振と長距離音響発生装置とレーザドップラ振動計を用いた非接触音響探査法の検討を行っている。しかし、本手法には計測時間の長さが問題点として残されていたが、この原因として1回の音波送出につき1つの周波数しか使用していない波形 (STNB : Single Tone Burst wave) を用いていたためであることが明らかになっている。測定の高速化のために単純に複数の周波数を混ぜて送信すると時間・周波数ゲートが有効に使えなくなるためにS/N比の悪化を招くことになる。そのため、時間・周波数ゲートを有効に使用しながら、かつ音波送出可能な時間帯を有効に用いて複数の周波数を連続的に送出する波形 (MTNB : Multi Tone Burst wave) が考案された。また、信号内の各種パラメータを変化させることでMTNB波のS/N比が変化することが考えられるため、今回は主に、信号波形の波群内の周波数の配置を変化させた場合におけるS/N比の関係についての検討を行った。検討内容としては、MTNB波の周波数配置を変化させた波形(離散的, 連続的, 高次高調波)でS/N比の比較実験を行った。結果から高次高調波に近い周波数を選んで配置したものは、他のMTNB波の周波数配置のものと比べるとS/N比の改善が見られた。討論としては、実験で用いたコンクリート供試体内に埋設されている模擬欠陥の境界条件についての質問を受け、供試体, 機材について細かく説明し、境界条件について議論した。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)
≪発表時の様子≫

海外での発表は去年に続き2回目であり、初回のときと比べれば幾分リラックスして発表でき、ある程度の意思疎通を図ることができた。しかしながら、発表中は日本語で話すときと違い聞き取れても伝えたいことを英語でうまく話せないもどかしさがあった。このことから、英語に対する自分自身のコミュニケーション能力の低さを痛感した。

また、本会議では大規模な展覧会も併設されており普段参加する会議と違い研究者の他にもメーカーの人間や製品のユーザーといった普段かかわらない方々と意見交換することができ、研究に対するいい刺激を受けることができた。

最後に、国際会議で発表する機会の援助をしてくださった丸文財団のご支援に心から感謝申し上げます。

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