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国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・
参加者名
藤村 樹
(早稲田大学 先進理工学研究科 先進理工学専攻)
会議名 231st Electrochemical Society Meeting (ECS Meeting)
期日 2017年5月28日〜6月1日
開催地 USA,New Orleans,Hilton New Orleans Riverside
1.国際会議の概要
≪開催地となったニューオーリンズの風景≫

ECS meetingはアメリカの電気化学に関する学会、Electrochemical Society (ECS)が主催する国際的な学会で、電気化学に関連する最新の研究について討論することを目的として、年2回(春季と秋季)開催されています。231回目の開催となる今大会は、ルイジアナ州のニューオーリンズにて5月28日から6月1日にかけて開催されました。Electrochemical Societyは電池、化学・バイオセンサー、エネルギーテクノロジーをはじめとする13の電気化学分野に関する大きな学会で、今回の大会では世界中から研究者・技術者が参加し、2,000件を超える発表がありました。今回の大会では、近年の環境問題に対する意識の高まりを受けて、特に電池関連の会場への参加者の集中が目立ちましたが、そのほかの会場でも各分野の最先端をゆく研究者による発表や討論が行われていました。

次回は232nd ECS Meetingとしてアメリカ、メリーランド州ナショナルハーバーにて2017年10月1日から6日にかけて開催される予定です。

2.研究テーマと討論内容

近年の太陽電池や半導体素子への応用のためのSi薄膜の需要増加に伴い、簡便かつ低コストのSi薄膜生成法の確立が期待されています。特に、有機溶媒やイオン液体などの非水溶媒を用いたSiの電解析出プロセスは、低コストであることに加え、薄膜を大面積に一括形成することが可能であるため、新たなプロセスの1つのとして私たちの研究室では研究を進めています。私は、このSiの電解析出プロセスのさらなる精密制御に向け非常に重要となる反応メカニズムについて、量子化学計算手法を用いて理論的に解析する研究に取り組んでいます。具体的には、私が所属する研究室で実験的手法により解析が進められているイオン液体を用いたSi電析プロセスについて、その前駆体であるSiCl4がどのような反応によりSiとして基板上へ析出するのかを解明し、反応メカニズムを提案することを目標としています。

≪発表ポスターの前で≫

本講演会では、「Theoretical Analysis of SiCl4 Reaction Mechanism for Si Electrodeposition Process in TMHA-TFSI as Ionic Liquids」という題目で、反応のごく初期過程におけるSiCl4の反応メカニズムの理論的解析の結果に関して、ポスター発表を行いました。発表の際には、計算化学を専門とされる大学研究者や教授の方々のみならず、電気化学的手法による材料形成を専門とする研究者や企業の方ともディスカッションをすることができ、この研究の重要性について伝えることができたと考えています。さらに、実験的手法による解析結果との整合性や解析モデルの諸問題についても議論することができ、今後の検討につながる貴重なご意見をいただくことができました。

3. 国際会議に出席した成果(コミュニケーション・国際交流・感想)

今回の講演会は、自身にとって初めての海外での国際学会であったため、発表する研究内容について正確に伝えることができるのか非常に不安でしたが、日ごろの英語を用いた研究室のゼミ発表や留学生との英語でのコミュニケーションのおかげで研究内容についてはうまく伝えることができました。その一方でディスカッションでは自身の英語力不足を痛感し、さらなる研鑽が必要であると感じました。また、発表時には海外の著名な研究者や教授の方々と議論することができ、今後の研究に関するご意見をいただけたのみならず、自身の研究と同分野の研究者とのつながりを作ることができたのは非常に大きな成果であると考えています。さらに、同年代の学生との発表でのディスカッションではそのレベルの高さを痛感し、自身も研究者として頑張らなければと感じました。

最後に、今回の国際会議に参加するにあたり多大なるご支援を賜りました貴財団に心より感謝申し上げます。

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