国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成27年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
小宮山 凌平
(鳥取大学)
会議名
IEEE SENSORS 2015
期日
2015年11月1日~4日
開催地
Busan Exhibition and Convention Center (BEXCO), Busan, South Korea

1. 国際会議の概要

IEEE SENSORSはアメリカ合衆国に本部を持つ電気工学・電子工学技術の学会であるThe Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. (IEEE) が主催する、センサ全般及びその関連分野に関する国際会議です。第14回目となるIEEE SENSORS 2015は韓国、釜山で開催されました。アブストラクトの応募件数は950件強、採択率は60%程度となる533件で、そのうちオーラルは272件、ポスターは261件でした。

ケミカル、光学、バイオ、加速度、ジャイロ等のセンサやそれを含むシステム、センサの応用に関するセッションで発表がありました。来年は10月30日から11月2日までアメリカのフロリダ州オーランドで開催される予定です。

2. 研究テーマと討論内容

今回は、“A Microfluidic Device Fully Integrated with Three pH Sensing Electrodes and Passive Mixer for Nanoparticle Synthesis”というタイトルで口頭発表を行いました。ナノ粒子合成のためのpHセンサとミキサを集積化したマイクロ流体デバイスに関する研究成果についての発表です。

我々はソーラーパネルの効率を向上させるためのナノ蛍光体を合成するためのマイクロ流体デバイスの研究を行ってきました。マイクロ流体デバイスを利用することで、微小空間による反応時間の短縮や温度や濃度の均一化などによる高効率で迅速かつ制御性の高い合成を可能とします。pHはナノ蛍光体の高効率化と粒径のコントロールのための重要なパラメータですが、多くのpHセンサは多孔質の材料を使用しているため、細かい粒子を含む溶液中で使用すると細孔内に粒子が堆積し測定ができなくなる問題がありました。

そこでシリコン基板とガラス基板の陽極接合時に構造体付近に形成される未接合領域をナノスケールの液絡として利用した、多孔質材料を使用しない参照電極を含む新しいpHセンサを提案しました。本会議では提案したpHセンサの設計、作製方法、評価について発表しました。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

著名な学会で発表を行うことができ、とても良い経験になりました。今回私は口頭発表とは別にポスターセッションでの発表もありましたが、そちらでも様々な国の研究者と議論することができました。発表を通して我々の研究について興味を持ってもらうことができたと感じました。また、本会議ではセンサに関するとても広い分野の研究発表が行われており、講演の聴講や研究者との議論によって、自身の研究の新しい応用先や研究テーマの着想を得ることができました。

最後に、この素晴らしい機会を支援していただいいた一般財団法人丸文財団様に心より感謝申し上げます。

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