国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成26年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
信川 輝吉
(和歌山大学 大学院システム工学研究科)
会議名
Digital Holography & 3-D Imaging, Imaging and Applied Optics
期日
2014年7月13日~17日
開催地
Seattle, Washington, USA

1. 国際会議の概要

講演会場の入口

国際学会会場 (Sheraton Seattle Hotel)

Digital Holography and 3-D Imaging (DH) は、3次元ディスプレイや3次元計測に応用されているディジタルホログラフィ技術や3次元イメージング技術など情報フォトニクスに関連する科学技術の発展と普及を目的とした国際会議である。本年度のDHは、Applied Industrial Optics: Spectroscopy, Imaging, and Metrology、Imaging Systems and Applications、Laser Applications to Chemical, Security and Environmental Analysis、Propagation through and Characterization of Distributed Volume Turbulence、および Signal Recovery and Synthesisの5つとともに、Imaging and Applied Opticsのトピカルミーティングとして開催され、幅広い光分野の研究者や技術者が一堂に会して研究発表や議論がおこなわれた。DHの講演件数は、他のトピカルミーティングと比較して最も多く、116件であった。

次回のDHは5月に上海で開催される予定である。

2. 研究テーマと討論内容

“Complex amplitude-modulated data page recording in coaxial holographic data storage with phase-shifting digital holography”という題目で2時間のポスター発表をおこなった。ホログラフィックメモリは次世代型光メモリとして期待が寄せられている技術である。ホログラフィックメモリの記録容量向上には光波の複素振幅をデータとして扱うことが必須である。しかしながら、従来のデータ記録・再生システムは大型、複雑であるため、外乱の影響を受けやすくデータ誤りが発生する問題があり、十分な記録容量の向上は実現されていない。本発表では、これらの問題の解決を目的とし、ホログラフィックメモリにディジタルホログラフィ技術である一般化位相シフト法を応用することを提案した。光波伝搬計算に基づく数値シミュレーションと光学実験により提案手法の有用性を実証した。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

シアトルの街並み

私はこれまでに光メモリ分野の国際学会の参加経験はあるが、DHを通して光メモリ分野以外の研究者と議論できたことが有意義な経験となった。特に、ディジタルホログラフィ分野の研究者の方々から、研究を進展する上で貴重なコメントをいただくことができた。また、口頭発表では、論文で目にしたことがある世界的に著名な研究者たちの講演を聴講し、自らの知見を広げることができたのはもちろん、大変感銘を受けた。レセプションの時には、中国の学生と知り合い、研究の話だけでなく、お互いの大学や研究室、文化の違いについて話すことができて非常に新鮮な体験であった。

本国際会議への参加は初の単独での海外渡航であり期待と不安を伴うものであったが、非常に有意義で刺激的な経験ができ、より一層研究に邁進したいと強く感じた。

最後に、本国際会議に参加するためにご支援をいただいた一般財団法人丸文財団に心より感謝いたします。

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