国際交流助成受領者/国際会議参加レポート

平成26年度 国際交流助成受領者による国際会議参加レポート

受領・参加者名
Kariyawasam Indipalage Amila Sampath
(山形大学 大学院理工学研究科 電子情報工学専攻)
会議名
OptoElectronics and Communication Conference (OECC2014) and Australian Conference on Optical Fibre Technology (ACOFT2014)
期日
2014年7月5日~12日
開催地
Melbourne Convention and Exhibition Center, Melbourne, Australia

1. 国際会議の概要

OECCは毎年行われている光通信分野の三大国際会議のうちの一つである。今回19回目でAustralian Conference on Optical Fibre Technology (ACOFT)と共同で、2014年7月6日から10日まで5日間にわたってオーストラリア、ヴィクトリア州 Melbourne Convention and Exhibition Centerで行われた。

世界25ヶ国から500人以上の研究者が集まった本会議では、口頭発表、ポスター発表を含め300件以上の研究成果が発表された。口頭発表の採択率は63%であった。多数のワークショップ、パネルディスカッションやチュートリアル講演で光通信分野の世界的なトレンドとブレイクスルーについて議論された。特に、日々増加する通信トラフィックに対して、few mode fiberやOAM (Orbital Angular Momentum)を用いた空間多重化技術による光通信システムの大容量化がホットな話題になった。

2. 研究テーマと討論内容

国際会議発表論文題目
Optical VSB Modulation Based on Phase-Shift Method and its PAPR Characteristics for Optical BPSK Transmission
(邦題:位相シフト法による光残留側波帯変調光二値伝送方式とそのピーク対平均電力比特性)

発表および討論概要
限られた周波数帯域で行われている光通信の大容量化に対し、周波数利用効率が高い変調技術が求められている。光単側波帯変調方式(光SSB)は周波数利用効率が高い利点がある一方で、ピーク対平均電力比が大きいことが課題であった。光SSB変調の際用いるヒルベルト変換の振幅特性が高域通過特性を持つように工夫することで、光位相処理型残留側波帯(光VSB)変調とすることができ、光波形のピーク対平均電力比を低減することができる。高域通過型のカットオフ周波数を変えることにより、ピーク対平均電力比はこれまでの4.17から1.65まで抑制することを実験的に実証した。

提案した方法をどのように応用していくのか質問があった。またファイバ伝送実験の必要性についての意見があった。

3. 国際会議に出席した成果
(コミュニケーション・国際交流・感想)

本会議に参加して、国際会議での発表経験を積むほかに、世界中の研究者から光通信分野の発展につながると思われる多数の新しいアイデアを拝聴することができた。多くのチュートリアルやプレナリー講演から、基礎的な点から最先端技術まで幅広い話を聞くことができ、大変良い勉強になった。

多くの研究者や学生と話せたこともあり、本会議を通して有意義な国際交流をできたことも大切な経験ではないかと考えている。

今回の国際会議OECC/ACOFT2014へ参加にあたり、惜しみない支援をしていただいた一般財団法人丸文財団に心より感謝いたします。

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